更年期障害とは、ホルモンバランスの乱れが原因の身体的・精神的不調のことです。
思春期の頃の卵巣には数十万個の卵胞があります。
しかし40歳前後を境にその数は急激に減少し、50歳になると数千にまで減少するといわれています。その減少とともに卵巣の機能も衰えていきます。
卵巣の機能が衰えてはじめると、卵巣から分泌されている女性ホルモン(エストロゲン)の量が減少します。エストロゲンの分泌量が減ると、脳は、盛んに卵胞刺激ホルモンを分泌し、卵巣からエストロゲンを分泌するように促します。 しかし、更年期を迎えた卵巣は、必要な量のエストロゲンを分泌することが出来ないため、エストロゲンの減少と卵胞刺激ホルモンの増加という「ホルモンバランスの乱れ」が起こります。
このようなホルモンバランスの乱れやエストロゲンの低下などにより、脳内の自律神経中枢の働きが失われ、その結果、のぼせや眩暈(めまい)、情緒不安定、不眠などのさまざまな身体的・精神的な不調・異変が現れはじめます。
これが更年期障害です。
症状は大変個人差があり、体に変調をきたすことなく更年期がほとんど気にならない人もいれば、日常生活を送ることすら困難なレベルの人までいます。
また最近では若年性更年期障害といわれる20代や30代の人たちもホルモンバランスの乱れから、更年期と同じような症状を訴える人も少なくありません。
しくみとしてはいずれの場合も同じですが、通常の更年期の方よりもはるかにストレスが加わって出ている症状であること、体が疲れていること、などにより卵巣の機能が衰えていることが考えられます。閉経を迎える女性の更年期障害は多少、自然なこととも言えますが若年性の場合、かなり体に過度の負担がかかっている状態なので心や体のケアが必要かもしれません。
皆様は上記のような症状の場合、多くの人が婦人科系を訪れるべきとお考えでしょう。
確かに婦人科系できちんと検査するのはとても大切です。
ただ、検査していざ治療となると、現代医学では、更年期障害の治療は若年性も含め多くが鎮痛剤や漢方薬の処方など薬物療法になりがちです。
薬の服用は必ず何かしらの副作用が伴います。決して万能なやり方ではないのです。そのような方たちにぜひ鍼灸を試してみてほしいのです。
更年期障害や若年性更年期障害の治療で使うツボは、手足と(肘から下、膝から下)背中に少しだけなので婦人科系に行って診察を受けることに抵抗感がある人も取り入れていただきやすいと思います。上下セパレートになった検査着もありますので安心です。
皆様の中は、鍼灸というと肩こりや腰痛のイメージしかないという方が多いですよね。でも鍼灸の婦人科系疾患の治療実績は大変古く、多くの文献が残されています。
なぜ、鍼灸は現代医学でさえ薬の服用程度しか治療法がないのにもかかわらず効果を発揮できるのでしょうか。
鍼灸の効果はゆっくりとしか現れないもの、と思っていらっしゃる方も多いようですが当院にお越しの方は、お客様ご自身が驚かれるほど早く効果が表れた方も数多くいらっしゃいます。試してみる価値は十分にあると思いますので是非一度ご相談ください。